東京島

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¥ 1,470

夜の桃
枕女優
決壊 上巻
さよなら渓谷
決壊 下巻

■他に読む本がなければ・・・ 評価2 日付2008-09-06
『グロテスク』が面白かったのと、
谷〜何とか賞とか、期待しすぎた分・・・ちょっと・・・。
他に何も読む本が無いときに、手にとっては。

■ミステリーではない 評価3 日付2008-08-24
無人島で次々と事件が起こって、最終的に隆とカスカベの死因も解き
明かされるのかと思って読み進んだが、
結局最初から最後まで清子を中心とした漂流者の無人島での生活記が描かれている。
全体のストーリーを楽しむというよりは、人間の欲望を包み隠さず表現された無
人島生活の日誌を楽しむといった印象。
誰一人住んでいない南の島での生活をときに憧れたりするものだが、
現実は何も知恵がないと過酷で退屈な生活になることが容易に想像できる。
なんかこの続きがありそうな感じもする。
■東京島を読んで 評価3 日付2008-08-21
 私が初めて体験した桐野作品は『リアル・ワールド』で、当時青春真っ盛りの私にとって、余りの読後感の後味の悪さにショックを受けてしまい、それ以来桐野作品からは距離を置いていました。
 そんな私も年齢を重ね、ある程度社会の汚い部分も知ってしまったので、今回内容に惹かれ久々に桐野作品に挑戦してみました。その結果やっぱり悪かったです、後味。
 と言っても、あの頃感じた後味の悪さとはまた種類が違って、『リアル・ワールド』の時は見事に世界間に飲み込まれた結果の後味の悪さでしたが、今回は肩透かしを食ったという意味での後味の悪さです。もっとぶっ飛んだ、この人にしかできないような発想を期待していたのですが、特に珍しい展開も無く、ラストも作者のしてやったり感が見え隠れして何となくイラッとしてしまいました。
 好きになれる登場人物も一人もいませんでしたし、これが本来の人間のあるべき姿だと言ってしまえば、それまでなのかも知れませんが、やっぱり私は例え綺麗ごとであっても救いのある物語を求めているのだなぁ、とそういう気付きを与えてくれてありがとうという意味での星3つです。
■想像力の欠如が生み出す無意味な作品 評価2 日付2008-08-20
恐らく「アナタハン島事件」をベースにした作品なのだが、島に中年女性を唯一人含む複数の人間が漂着し、奇妙な生活を始めると言う設定に時代・社会的必然性が感じられず、無意味な作品としか思えない。ベースの題材が無ければ作品を書けないと言うのも、作者の昨今の想像力の欠如を改めて感じさせる。児童向けの「十五少年漂流記」に比べても構成力において劣る。

登場人物は記号的であり人間性が感じられない。無人島に漂着したせいで奇矯な性格になった訳ではなく、初めからある種の典型パターンの人物が選ばれているのだ。それが又、島の区域に記号的な(東京の)地名を付ける。読んでいてイライラする。そしてヒロインの設定である。「OUT」の成功体験で、どうも作者は中年女性をヒロインにしたいようだ。無人島におけるヒロインの性的な栄枯盛衰を描きたいようだが、年齢設定に無理があるため読む方はその世界に入っていけない。10代前半の少年でさえ、無人島からの脱出のため力の限りを尽す。本作の設定は現実味に欠けるだろう。そして結末まで読んでも得るものが無いのである。

今日の新聞で本作が谷崎賞を受賞したのを読んで、本当にガッカリした。日本文学の近年の低調を象徴するような出来事である。作者には、「自分は何を書きたいのか」をもう一度見つめ直して欲しい。
■最後まで一気に読ませる作品 評価5 日付2008-08-09
無人島の中で、どんな手を使っても生き抜いて脱出するという人間たちの本能むき出しの様子がしっかりと描かれていて最後まで一気に読ませる作品だった。無人島という隔離された空間の中でも、東京、ホンコンといったような人種差別や、共同生活をすることができないものがいたりと、新宿や渋谷、チョーフという街社会が生まれたりと、生活観にリアリティもあってよかった。ただ、もっとも読みごたえがあった最後の脱出劇のところが語りだけであっさり終わってしまったのが個人的には物足りなかった。
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